2020年のMotoGP世界チャンピオンであるジョアン・ミルと、2021年のタイトルを獲得したばかりのファビオ・クアルタラロは、シーズン最終戦のバレンシアで表彰台を独占したドゥカティが2022年にもたらす脅威の大きさを懸念している。
特にミルは、レース序盤をリードした後、フランチェスコ・バニャイア、ホルヘ・マルティン、ジャック・ミラーに完全に飲み込まれ、ドゥカティのマシンの威力を間近で体験することになった。
しかし、2022年に向けてのミルの最大の懸念は、異なる3人のレーサーが、全く弱点を見せずにデスモセディチを乗りこなすことができたことにある。
優勝候補の一人としてスタートしたものの、4位に終わったことについて、「レースでこんな思いをするとは思っていなかったので、本当にがっかりしている」とミルは語った。
「プラクティスでは非常にうまくいったが、実際のところレースでは何もできなかった。フロントのグリップが悪くて苦労したし、彼らと戦うためのアドバンテージもなかった。望んでいたポジションではないので、悔しいね」
「彼らの後ろにいると、すべての選択肢を失うことになるからね。序盤は自分が1位になろうとしていたが、バニャイアに抜かれてしまった。ホルヘ・マルティンをオーバーテイクしようと準備していたが、他のドゥカティにオーバーテイクされて、その瞬間、もうレースが終わってしまったかもしれないと感じた」
「これまでは、彼らには弱点がいくつか見えていて、昨年ではスタート時に速さがあっても、終盤になるとタイヤの消耗が激しくなり、曲がりきれなくなることがわかっていた。パワーがあればタイヤの使用量が増えるのは当然のことだ」
「しかし、今はパフォーマンスの低下が見られず、逆にレース終盤にさらに速くなっているほどだ」
「弱点が見当たらないのが気になる。来年も戦いたいのであれば、僕らはやるべきことが多くある」
先月、ミルのタイトルを奪ったクアルタラロは、2022年のシーズンがどのようなものになるのか、ミルと同じ心配をしていたが、イタリアのドゥカティだけでなく、日本のヤマハ、スズキ、ホンダでも冬休みを利用した開発が行われており、来年はどうなるのかについては、やや慎重な見方をしていた。
日本のレース部門は、ヨーロッパのメーカーに比べてコロナウイルスの流行による影響が大きかったため、今後数ヶ月で挽回しなければならない状況にあることは疑いの余地がない。
その遅れを取り戻せるかどうかは、自分ではなくチームにかかっている、とクアルタラロは言う。
「このコースはドゥカティのコースではないと誰もが言う。しかし、ポールポジションと1-2-3フィニッシュは、彼らが大きな進歩を遂げたことを意味する」
「来年はもっと心配だけど、今はあまり気にしていない」
「来年に向けて改善するために、この冬に何をしなければならないかをヤマハは知っているからね」
「もちろん、完全な自信があるわけではないが、僕らは今年の世界チャンピオンなのだから、それを楽しまなきゃね」
「正直なところ、ジャックの後ろにいたけれど、彼らがどれほどのコーナリンク性能、トラクション、パワーを持っているのかを把握するのは難しかった。ただ全てが高いレベルにあるのは間違いない」