ケイシー・ストーナー「体調が60%以上になることはない」健康面での大きな問題について語る
2度のMotoGPチャンピオンに輝いたケイシー・ストーナーは、自身の健康状態について率直に語った。慢性的な疲労の問題に悩まされ、「体調が60%以上になることはない」と認めている。
ストーナーは、2012年シーズン終了後、わずか27歳でMotoGPを去った。比較的早い時期にキャリアを終えたにもかかわらず、同時代の明らかな偉人の一人として地位を確立していた。
この時点では完全にモータースポーツから離れていたわけではなく、母国オーストラリアで四輪レースに短期間参加した後、ホンダ、ドゥカティのテストライダーとして断続的に活動し、2018年末にドゥカティに自分の意見が十分に生かされていないと感じて退団した。
しかし、乳糖不耐症と誤診されるほどの慢性的な疲労に悩まされていたストーナーは、ここからさらに体調を崩してしまった。このことについては、昨年、スペインのメディアで詳しく語っていたが、今回、2021年シーズンの最後のレースとなるポルティマオの週末にMotoGPの会見に登場して、さらに詳しく説明した。
「正直に言うと、ドゥカティでのテスト活動を終えてから、(2018年初めに)肩の再建手術をしたんだ。僕は自分の健康について非常に悩んでいたんだ」とストーナーは語った。
「基本的に5カ月間、ソファから離れられない状態になったんだ。ベッドからソファまでいくのががその日のエクササイズだった。」
「精神的にも肉体的にも大変な状態だった。だから、この3年、いや4年近く、この状況をなんとかしようと努力してきたんだ。生活の中でエネルギーを節約する方法を学び、必ずしも自分を良くするものではなく、問題の影響を軽減することを学ぶようにしていたんだ。」
「昨年末の12月から1月にかけて、少し体調が良くなってきたので、”まだ回復していないかもしれないが、今なら何とかなる “と思ったんだ。1日の中でできることが少しずつ増えていってね」
「しかし、3月、4月になり、また逆戻りしてしまった。今はあまり楽観的な状況ではなく、基本的には体調が60%以上になることはない」
「以前はどこへ行くにもジョギングをしていたが、今は歩かなければならない。エネルギーを節約して毎日を乗り切ることだけを考えているよ」
健康上の問題が続いているにもかかわらず、ストーナーはMotoGPのパドックに復帰し、新進気鋭の若手にアドバイスをすることに興味があることをほのめかした。しかし、その場合、オーストラリアに住む彼の家族に大きな影響を与えることになることも認めている。また、現在のコロナウイルスの状況や、特にオーストラリアとの行き来の影響など、複雑な事情もある。
彼は、MotoGPを去ったことを後悔はしていないという長年の立場は一貫している。しかし、「戦うライバルがいない環境は寂しいか」という質問には、沈痛な答えが返ってきた。「ライバルがいないのは寂しいよ。なぜならこの4年間、僕の競争相手は自分自身だったからね」
「だから、何かに打ち勝つと体験はできなかった。でも、MotoGPではなくても、マウンテンバイクを始めたときには、かなりのレベルに達していて、レースに出ようとしていたこともあった。でも、残念ながら状況はどんどん厳しくなっていったんだ」